集める快楽と捨てる快楽

僕は30歳代までは集める快楽しかしらなかった。

ガキの頃はガンダムのプラモデルを山のように集めていた。

しかもそれらはほとんど作ってもいない。

手元にあるだけでいいのだ。

漫画とかビデオもそう。

特にひどかったのは本かな。

どんどん買ってくるだけで捨てないもんだから山のようにたまっていった。

 

そんな僕が、はじめて捨てる快感に目覚めたのは、貧乏で生活がニッチもサッチもいかなくなったころだった。

きっかけはタバコ。

1日5箱以上吸うヘビースモーカーだった僕がやっとの思いで禁煙に成功したのだ。

なんかこう泣きたいぐらいの嬉しさがこみ上げ、やったぞ俺はという達成感のようなものを感じたんです。

タバコをやめただけなのに、経済的にはすばらしい効果があった。
だって毎月の5万ぐらいの出費がなくなったんですから。
視点を変えれば、突然毎月5万円の収入ができたようなものです。

 

なんだか、すげー!

 

素直にそう思ってました。
これに気をよくした僕はそれから家庭内のコストカット=節約に目覚め始めたのです。
節約を突き詰め始めると、これがかなり面白い。
新たなアイデアを思いつくと実践し、一喜一憂する。
貧乏で悲惨な状態にもかかわらず、なんだか楽しい。
そんな毎日でした。

 

その頃のヒット作はアイポッドでした。
それまで持っていたCDを全部売ったり捨てたりしました。
あんな広い空間を占拠してたCDが、手のひらに収まっている。


すげえ!これがテクノロジー革命というやつか。


そして捨てはじめると、どんどん自分が身軽になるのを感じました。
なんだか心が軽くなってスッキリするんです。

物が回りにたくさんあることでも安心感みたいなものは得られます。

でも物が無いことでも同じように安心感も得られるのです。

それはとっても身軽ということなんです。
身軽なほうがメリットは大きいです。
物に執着しないほうが幸せに生きれます。
それは身をもって実感しています。

現在僕は貧乏だけど、けっこう満足に生活を送っていますから。
収入は日本人の平均収入よりはるかに低いです。

でも、いっちゃなんだけど幸せ度でいったら上位のほうに入る確信があります。
皆さんも捨てる、削る喜びに目覚められたらけっこう楽しく生きられますよ。